
本日の目次
- 本日の目次
- はじめに:「吹き抜けは後悔する」って本当?
- わが家の吹き抜けの条件
- 吹き抜けで後悔しなかった理由
- 吹き抜けと螺旋階段の組み合わせが予想以上に良かった
- 吹き抜けの寒さ・暑さ対策|庇の設計が鍵だった
- 吹き抜けのデメリット|音の問題は本当にある
- 27坪でも吹き抜けを作れた理由|コンパクトハウスと吹き抜けの相性
- さいごに:吹き抜けは「条件次第」で後悔しない
はじめに:「吹き抜けは後悔する」って本当?

家づくりを調べていると、必ずといっていいほど目に入るのが「吹き抜けは後悔する」という声です。
冬が寒い、エアコンが効かない、光熱費が跳ね上がる、音が筒抜けになる、そういったネガティブな情報が溢れていて、正直悩みますよね。
僕も家を建てる前、この手の記事を何本も読みました。
でも結論から言うと、わが家は吹き抜けを採用して、後悔はほとんどありません。
むしろ今でも「作って良かった」と思っているんですよね。
わが家は延床面積27.25坪のコンパクトハウスです。
20畳のLDKにリビング吹き抜けを入れて、家族4人で暮らしています。
この記事では、実際に住んで感じた吹き抜けのメリット・デメリット、コンパクトな家と吹き抜けの相性、そして後悔しないために押さえておきたいポイントを、リアルな体験ベースで書いていきます。
吹き抜けを検討している方の参考になれば嬉しいです。
わが家の吹き抜けの条件

まず前提として、わが家の仕様を整理しておきます。
延床面積は27.25坪、20畳のLDKにリビング吹き抜けを採用しています。
吹き抜けのサイズは約4畳分で、高さはおよそ4.5メートルほどです。
構造は構造材表し仕上げ、屋根はガルバリウムを使っています。
そして吹き抜けに隣接する形で、約2畳分の螺旋階段スペースがあります。
コンパクトハウスに吹き抜けというと「そんな狭い家に?」と思われることもあるんですけど、実際に住んでみると27坪の家こそ吹き抜けが活きると感じています。
吹き抜けで後悔しなかった理由
「冬は寒い」という後悔ポイントはどうだったか

吹き抜けの後悔として最もよく聞くのが「冬が寒い」という問題です。
暖かい空気は上に逃げる、という物理的な理屈は確かに正しいです。
だから不安になるのも当然なんですよね。
でもわが家では、冬に寒くて困った経験がほとんどありません。
理由は、吹き抜けをリビングの大きな窓と同じ面に配置したことです。
南向きの大きな窓から入った日光が、そのまま吹き抜け空間全体に広がります。
冬は太陽の高度が低いので、日差しがリビングの奥までしっかり届くんですよね。
日中は日射だけでかなり暖かくなって、夜になってもその熱が少し残っている感じが続きます。
もちろんこれは窓の向きや吹き抜けの位置、断熱性能など設計による部分が大きいと思います。
一般的に吹き抜けが寒くなりやすい原因のひとつは、日射取得が不十分なまま天井だけが高くなることだと言われています。
窓の配置と吹き抜けの方向をセットで考えると、寒さの問題はかなり変わってくるはずです。
エアコンは何畳用を選んだか
リビングに設置しているのは、ダイキンの「AN80URPK-W」です。
2017年の入居時に設置して、9年間ずっと使い続けています。
8.0kWのモデルで、冷房なら22〜33畳、暖房なら22〜27畳が目安とされているタイプになります。
LDKが20畳なので、床面積だけで見れば少し大きめのサイズを選んだことになります。
大きめのサイズを選んだ理由は吹き抜けです。
床面積は同じでも、吹き抜けがあると空間の体積が増えるんですよね。
わが家の場合は吹き抜けが4畳分で高さ4.5m。通常の天井高(2.4m前後)と比べると、その部分だけ体積が2倍近くになります。
床面積ぴったりの畳数を選ぶと、この体積増加分でパワー不足になる可能性がある。
だからワンランク上のサイズにしておこう、というのが当時の判断でした。
結果的にこの選択は正解だったと思っています。
冬にエアコン1台で家全体が暖まるのも、夏に短時間で冷えるのも、余裕のあるサイズを選んでおいたおかげだと感じています。
ちなみに9年経った今も、大きな故障なく現役で稼働しています。
吹き抜けのある家でエアコンの畳数を決めるときは、床面積ではなく「体積」で考えることをおすすめします。
「エアコンが効かない」という後悔ポイントはどうだったか

吹き抜けでよく言われるもうひとつの懸念がエアコン問題です。
正直これも、わが家では特に困っていません。
一番の理由は家自体がコンパクトだということだと思います。
吹き抜けがあると空間の体積は増えますが、もともとの床面積が小さいので、冷暖房すべき空気の量がそこまで大きくなりません。
吹き抜けが大きければ大きいほど、空間の体積は増えてエアコンへの負荷は上がります。
でも27坪・4畳の吹き抜けという組み合わせでは、その影響が想像以上に小さかったんですよね。
シーリングファンは必須ではなかった、でもあると快適
「吹き抜けにはシーリングファンが必要」という情報、よく見かけますよね。
わが家の答えを先に言うと、必須ではないけれど、あるとより快適になるという感じです。
というのも、入居してから7年間はシーリングファンもサーキュレーターもなしで過ごしていました。
それでも冬に寒くて困ることも、夏にエアコンが効かないと感じることもなかったんですよね。
コンパクトな空間だと、上下の温度差がそこまで大きくならないんだと思います。

ただ2024年になって、リビング中央のダクトレールにファンを2台取り付けました。
BRIDのダクトレールファンという製品で、天井の補強材が不要でダクトレールに引っ掛けるだけで設置できるタイプです。
正直に言うと、購入の動機は半分以上インテリアでした。
でも実際に低速で回してみると、天井付近に溜まっていた空気が静かに動くので、リビングの体感温度のムラが減った感覚があります。
「シーリングファンを入れたいけど天井補強をしていない」という方や、賃貸にお住まいの方にとっては、ダクトレールに取り付けるタイプという選択肢があることは知っておいて損はないと思います。
なお、夏と冬でエアコンの使い方をどう変えているかについては、こちらの記事で詳しくまとめています。
床面積を削る後悔は?27坪でも広く感じる視覚効果

吹き抜けを作ると、その分の2階の床面積が減ります。
それが「もったいない」と感じる方も多いですよね。
でもわが家では、この選択に後悔はありません。
もともと27坪という限られた床面積の中で、横方向にどんどん空間を広げることはできませんでした。
土地の広さも、予算の問題もあります。
そこで考えたのが「横に広げられないなら、縦に広げればいい」という発想でした。
吹き抜けを作ることで床面積は増えません。
でも視線が上に抜けることで、実際の面積以上に空間が広く感じられます。
20畳のLDKですが、吹き抜けのおかげで窮屈さをほとんど感じないんですよね。
むしろ「この家ってこんなに広いんだっけ?」と来客に言われることもあります。
コンパクトな家ほど、吹き抜けの開放感が活きる。
これは実際に住んで初めて実感したことです。
吹き抜けと螺旋階段の組み合わせが予想以上に良かった

わが家のリビングには、吹き抜けと螺旋階段が隣接しています。
吹き抜けが約4畳、螺旋階段のスペースが約2畳で、合計6畳分ほどの縦空間がリビングにつながっているイメージです。
螺旋階段って、普通の階段と違って壁や蹴込み板がないんですよね。
視線が階段の間から抜けるので、空間がさらに軽く、広く見えます。
吹き抜けの開放感と螺旋階段の抜け感が合わさると、相乗効果がかなり大きかったです。
リビングから見上げたときの景色が好きで、今でもここがお気に入りのポイントになっています。
コンパクトハウスで吹き抜けを検討している方には、階段のデザインも一緒に考えることをおすすめしたいです。
スケルトン階段やオープン階段など、視線が抜ける形にするだけで空間の見え方がかなり変わります。
吹き抜けの寒さ・暑さ対策|庇の設計が鍵だった
夏の暑さはどう対策しているか

「吹き抜けがあると夏は暑いんじゃないの?」という質問もよくいただきます。
実際のところ、窓が大きいほど夏の日射が問題になりやすいのは事実です。
わが家で一番効いている対策は、庇を60cm出したことです。
夏の太陽は高い角度から照りつけるので、60cmの庇があるだけで窓への直射日光をかなりカットできます。
逆に冬は太陽の角度が低くなるので、庇の下を通って日光がリビングの奥まで入ってくる仕組みです。
この庇による日射コントロールが、季節ごとの快適さを自動的に調整してくれているんですよね。
最近は庇がないフラットな外観の家も多くて、見た目としてはスタイリッシュでかっこいいと思います。
でも実際に住んでみると、庇の機能的な価値は想像以上でした。
吹き抜けがある家は窓面積が大きくなりやすいので、日射対策は設計の段階でしっかり考えておくことをおすすめしたいです。
カーテンやブラインドで後から対応する方法もありますが、せっかくの吹き抜けの開放感を損なわずに済むのが、庇設計の良いところだと感じています。
冬の寒さ対策としてやっていること
冬の寒さ対策として特別なことをしているかというと、正直あまりやっていません。
リビングのエアコン1台を動かすだけで、家全体がそれなりに暖まります。
先ほど書いた通り、日中は日射でリビングが暖かくなるので、エアコンをフル稼働させる時間自体が少ないんですよね。
夜は多少冷えますが、扉を閉めてエアコンをかければすぐ暖まります。
「吹き抜けにしたせいで光熱費が跳ね上がった」という感覚も、9年住んで一度もありませんでした。年間トータルで見ると、4人世帯の全国平均とほぼ同等の水準に収まっています。
吹き抜けのデメリット|音の問題は本当にある
大雨の日は雨音が響く

これは正直、住んでみて初めて気づいたデメリットです。
わが家は屋根がガルバリウムで、しかも構造材表し仕上げという組み合わせです。
大雨の日は、屋根に当たる雨音がリビングまでしっかり届きます。
普通の雨ならほとんど気になりません。
でも激しい雨の夜は、テレビの音が少し聞き取りにくくなることがあります。
この問題は天井仕上げの素材や屋根材の種類によってかなり変わると思います。
静かな環境を重視する方は、設計段階で音の響き方についても工務店や設計士に相談しておくといいかもしれません。
上下階の音が筒抜けになる

これが吹き抜けの一番のデメリットだと感じています。
今は2階の吹き抜け側をキッズスペースにしていて、娘が遊ぶ声やおもちゃの音がリビングまでよく聞こえてきます。
子供が小さい今は、これがむしろメリットに感じることも多いです。
1階にいても娘の気配が常に伝わってくるので、安心感があります。
ただ将来的には課題になりそうだと覚悟しています。
娘が受験期になったり、思春期で静かな環境を必要とする時期が来たりしたとき、リビングのテレビ音や会話がそのまま2階まで届いてしまうのは問題になりえます。
今のところ考えている対策は、2階の個室のドアを遮音性の高いものにすること、夜間のテレビ音量を意識的に抑えること、くらいです。
生活スタイルによっては、最初から音の対策を設計に組み込んでおくのも一つの選択肢だと思います。
27坪でも吹き抜けを作れた理由|コンパクトハウスと吹き抜けの相性
狭小住宅や小さな家に吹き抜けは難しいと思われがちですが、実際はむしろ相性が良いと感じています。
わが家が吹き抜けを採用できた理由と、コンパクトな家で吹き抜けを成立させるためのポイントをまとめておきます。
まず吹き抜けのサイズについてです。
わが家の吹き抜けは約4畳と、決して大きくありません。
「吹き抜け=大きな空間」というイメージがあるかもしれませんが、小さな吹き抜けでも視覚的な効果はしっかり得られます。
次に窓の位置との連動です。
吹き抜けを南向きの窓と同じ面に作ることで、日射取得と採光の両方が効率よく機能しています。
吹き抜けの位置と窓の方向をセットで設計することが大切です。
そして庇の出寸法です。
60cmの庇を設けることで、夏の遮熱と冬の日射取得を自動的にコントロールしています。
最後に階段デザインとの組み合わせです。
螺旋階段のように視線が抜ける階段を吹き抜けに隣接させることで、空間の広がりがさらに大きくなります。
これらの条件が重なったことで、27坪という小さな家でも吹き抜けが快適に機能しています。
コンパクトな家を検討している方は、吹き抜けを諦める必要はないと思います。
むしろ小さい家こそ、縦方向の空間をうまく使う発想が大事だと感じています。
さいごに:吹き抜けは「条件次第」で後悔しない
吹き抜けは確かにデメリットもあります。
音が筒抜けになること、雨音が響くこと、これは実際に住んで感じたリアルな問題です。
でもわが家では、設計の段階で日射・窓・庇・吹き抜けの位置をセットで考えたおかげで、寒さや暑さの問題はほぼ解決できています。
そしてコンパクトな家だからこそ、吹き抜けの開放感が効果的に働いていると感じています。
ネットには吹き抜けの後悔に関する情報がたくさんあります。
でもその多くは、設計の条件や家の規模によって大きく変わってくる話です。
吹き抜けを検討している方は、「後悔した」という声だけで判断するのではなく、どんな条件でそうなったのかを一緒に確認してみてください。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。