
本日の目次
はじめに
「吹き抜けってエアコン代が高くなるんじゃないの?」
家を建てると決めたとき、こう言われたことが何度もありました。
吹き抜けのある家を検討している方なら、きっと同じ不安を抱えているんじゃないかと思います。
でも入居3年目に、思いがけない発見をしました。
2階のエアコン1台で、1階まで冷える。
そのとき「得した!」と感じた瞬間の感覚を、電気代の実数データと一緒にこの記事では全部話します。
吹き抜けを検討している方、すでに吹き抜けがあって電気代を心配している方に、少しでも参考になれば嬉しいです。
「冷気は下に落ちる」という思い込みが3年間あった
入居当初、2階エアコンは設置しなかった


わが家は延床27.25坪のコンパクトハウスです。
1階にLDK(20畳)があり、リビング部分には6畳分の吹き抜けがあります。
2階はフリースペース(12畳)と寝室(4.5畳)という構成です。
入居したのは2017年の秋でした。
当時は夫婦2人暮らし。
初期費用を抑えたかったこともあり、エアコンは1階リビングと2階寝室の2台だけ設置しました。
2階フリースペースはエアコンなしでスタートです。
理由はシンプルで、「冷気は重いから下に落ちる。だから2階のエアコンをつけても、冷気が全部1階に落ちてしまって2階が冷えないんじゃないか」と思っていたんですよね。
冷気は下に落ちる。だから2階のエアコンは不利。
この思い込みが、3年間ずっとあり続けました。
1階エアコンだけの夏は、2階がつらかった
実際、夏の冷房は厄介でした。
1階のエアコンをつけると、1階はちゃんと冷えます。
でも2階に上がると、暑い。
真夏だと1階と2階の温度差が5~10度近くあったかもしれません。
サーキュレーターで1階の冷気を上に送ってみたこともありましたが、正直あまり大きな改善にはなりませんでした。
当時は「吹き抜けリビングの夏ってこんなものか」と半ば諦めていた部分もあります。
暖房時の話や、わが家のエアコン構成の全体像については、こちらの記事で詳しくまとめています。
入居3年後の偶然の発見|2階エアコン1台で1階まで冷えた
娘のキッズスペース化がきっかけだった

状況が変わったのは、娘が生まれてからです。
2020年頃、2階のフリースペースが子どもの遊び部屋になりました。
子どもが1日中そこで過ごすようになると、夏にエアコンなしというわけにはいきません。
そのタイミングで、2階フリースペースにエアコンを追加で設置しました。
確か8畳用くらいだったと思います。
設置した理由は完全に「2階を冷やすため」でした。
1階まで冷やせるとは、これっぽっちも思っていなかったんですよね。
初めてつけた瞬間の「あれ、冷えてる?」

2階のエアコンをつけて、しばらく経ってから1階に降りてきたんです。
そのとき「あれ、なんか涼しくない?」と気づきました。
1階のエアコンは一切つけていない。
なのに、リビングがちゃんと涼しくなっている。
設定温度26.5度で稼働させた2階のエアコンから出た冷気が、吹き抜けを通じて自然に1階まで下りてきていたんです。
得した!って感じでした。
2階のエアコン1台で、2階も1階も両方冷える。
まるで全館空調みたいな感覚、というのが正直なところです。
実際の温度感とエアコンの位置の話

現在の設定温度は2階エアコンで26.5度です。
2階はそのままの温度で冷えます。
1階は体感でプラス1度くらい。
でも「暑い」とは全く感じない温度です。
ほぼ2階と同じと言っていいくらいの快適さです。

これが成立しているのには、エアコンの設置位置が大きく関係していると思っています。
わが家の2階エアコンはちょうど吹き抜けに向かって風が流れていくような位置に設置されています。
エアコンが吹き出した冷気が、自然に吹き抜けを通って1階に降りていく仕組みです。
風が直接1階に当たるわけではなく、じわじわと降りてくるイメージです。
だから赤ちゃんや小さい子どもがいても体が冷えすぎず、むしろこの「優しい冷え方」が助かっています。
サーキュレーターも扇風機も、何も使っていません。
エアコン1台だけです。
冷房だけは「2階エアコンが主役」になる理由
ここで整理しておきたいのが、冷房と暖房で空気の挙動がまったく異なるという点です。
冷気は下に沈む性質があります。
だから2階でエアコンをつけると、冷気が吹き抜けを通って1階まで自然に流れていく。
逆に1階のエアコンだけで冷房をつけても、冷気は上にはのぼらないので、2階にはほぼ届きません。
これが、夏の冷房は「2階エアコンが主役」になる理由です。
暖房は逆で、暖気が自然と上にのぼる性質を活かした別の使い方があります。
吹き抜けリビングの夏の電気代、全国平均と比べてみた
2024年7月〜2026年6月の実数データを公開
「吹き抜けがあると電気代が高くなる」という話をよく聞きます。
では実際どうなのか。
わが家の電気代と、idemitsuでんきが公表している4人世帯の全国平均電気代を比較しました。

夏は全国平均より安く、冬は高い傾向がある
数字を見て、まず気づくのはこの傾向です。
夏(7〜8月)は全国平均より安い月が多い。
冬(1〜3月)は全国平均より高い月が多い。
夏場の7月・8月に注目すると、2024年7月はマイナス1,136円、2025年7月はマイナス318円と、わが家の方が安くなっています。
節約しているという意識は全くありませんでした。
「吹き抜けリビングだし、電気代は高くなるだろう」とずっと思っていたので、平均とそんなに変わらないと知って逆にびっくりしました。
吹き抜けリビングでも、夏の電気代は全国平均と大差なかった。
これが僕の正直な感想です。
夏が安い理由は「立地」と「2階エアコン運用」の組み合わせ

夏の電気代が平均並みか、それ以下に収まっている理由を考えてみました。
まず「立地」の影響が大きいと思っています。
わが家は高台に位置していて、風がよく通ります。
夜に網戸にしておくと涼しい風が家の中を抜けていくんですよね。
この自然換気のおかげで、エアコンをつけなくていい夜が夏でも結構あります。
次に「2階エアコン1台での運用」です。
先ほど話したように、2階のエアコンをつけると1階も冷えるので、1階のエアコンを動かす必要がない日が多い。
エアコンの台数が減ることで、消費電力が抑えられているんだと思います。
そして「庇と複層ガラス」の効果です。
わが家には出幅60cmほどの庇があって、夏の高い角度の太陽光を遮ってくれます。
窓は複層ガラスを使用しているので、熱の侵入も最小限に抑えられています。
これらが組み合わさって、夏場の電気代が平均並みに収まっているんだと考えています。
冬が高い理由も正直に話す

一方、冬は全国平均より高い月が目立ちます。
特に2025年の1〜3月は全国平均を大きく上回っています。
吹き抜けがある分、暖めるべき空気の体積が大きいのは事実です。
1階20畳のLDKに加えて、吹き抜けを通じて2階まで暖気が届くわけですから、エアコンの稼働量は当然上がります。
2025年の冬は次女が生まれた翌年で、家族4人での生活スタイルになっていました。
室温管理の精度が上がった分、エアコンの稼働時間も増えたのかもしれません。
正直に言うと、冬の電気代については「もう少し抑えられたら」と思うこともあります。
ただ、寒い冬でも快適に過ごせているのは事実で、その分のコストと割り切っています。
エアコンの使い分けはシーンで変わる

現在の夏の運用はシンプルです。
子どもが2階のキッズスペースで遊んでいる時間は、2階のエアコンをつけます。
冷気が吹き抜けを通って1階まで下りてくるので、1階リビングにいる僕や嫁も追加でエアコンをつけなくても快適です。
子どもが1階で映画を観ている時間は、1階のエアコンだけ動かします。
このとき2階はほぼ誰もいないので、2階のエアコンは切っています。
寝室のエアコンは寝る時だけです。
4.5畳の部屋なのであっという間に効きますし、寝室だけ閉め切って使う分には短時間の稼働で済みます。
フロアごとに使い分けているというより、「今どこで誰が過ごしているか」によってエアコンが変わる、という感覚に近いですね。
まとめ
吹き抜けリビングの夏のエアコン事情を、実体験と電気代データをもとにまとめました。
入居当初は「冷気は下に落ちる」という思い込みから、2階エアコンは不要と判断していました。
でも子どものキッズスペース化をきっかけに設置してみたら、2階のエアコン1台で1階まで冷えるという事実を偶然発見しました。
設定温度26.5度で、1階の体感温度は2階とほぼ同じ。
サーキュレーターも扇風機も不要です。
電気代については、夏場は全国平均と同等かやや安い傾向にあります。
冬は全国平均より高い月がありますが、それは吹き抜けの体積分をエアコンが暖めているからです。
トータルで見ると、吹き抜けリビングだからといって電気代が爆発的に高くなるわけではありませんでした。
「吹き抜けは冷暖房効率が悪い」というのは、必ずしも正しくありません。
エアコンの位置と吹き抜けの位置関係、そして立地や断熱性能の組み合わせ次第で、むしろ効率よく冷暖房できる場合があります。
吹き抜けのある家を検討している方、電気代が心配で踏み切れない方に、少しでも参考になれば嬉しいです。